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ダイアフラムポンプとは? 特徴と構造を解説

ダイアフラムポンプとは
   最終更新日:    公開日: 2021/09

流体を搬送するのに使用されるポンプは、流体を搬送する原理や構造により様々な種類があります。ダイアフラムポンプもその1つです。ダイアフラムポンプは構造がシンプルで扱いやすく、幅広い分野で利用されています。

ポンプの種類

ポンプは容積式ポンプと非容積式ポンプ、特殊型ポンプの3つに大きく分類できます。容積式ポンプは、一定の容積を持つ空間にある流体に対し、往復運動や回転運動などによって容積を変化させて流体を搬送するポンプです。非容積式ポンプは、羽根車(インペラー)を回転させることで、遠心力で圧力を与えたり、軸方向の流れを作ったりすることで、流体を搬送します。特殊型ポンプは、流体を吹き込む力や流体が落下する力などで搬送を行うポンプです。

ポンプの種類:非容積式ポンプ(渦巻きポンプなどの遠心ポンプ、軸流ポンプ、傾流ポンプ)/特殊ポンプ(カスケードポンプなどの回転ポンプ)/容積式ポンプ(ダイアフラムポンプ(ダイヤフラムポンプ)含む往復動ポンプ、回転ポンプ(ギヤポンプなど))ダイアフラムポンプにはエアー駆動、油圧式駆動、直動式駆動がある

ダイアフラムポンプは、容積式ポンプに分類されます。ダイアフラム(diaphragm)とは、「隔膜」のことです。一方の面が伸縮性のあるダイアフラムで隔てられたチャンバー内の容積を変化させて流体を搬送します。容積式ポンプには、ダイアフラムポンプの他、注射器のようにプランジャーを往復運動させて流体を搬送するプランジャーポンプ、井戸水を汲み上げるピストンポンプ、ギアの回転で流体を送るギアポンプなどがあります。容積式ポンプは、定量性が良く、一定間隔で決まった流量を確保するのに向いており、流体を吸い上げて搬送できる量(揚程)も比較的大きいです。

非容積式ポンプは、渦巻き羽根で遠心力により半径方向に圧力を与えて搬送する渦巻ポンプや、軸方向に液体を搬送する軸流ポンプなどがあります。ポンプ自体が流体を吸い上げる力が弱いので、搬送を行う際にはポンプ内に流体(呼び水)を満たしてから駆動させる必要があります。インペラーの高速回転により高い流量で比較的連続した搬送が行えるのが特徴です。

ダイアフラムポンプの原理、構造、用途

ダイアフラムポンプは、以下の図のような構造を持っています。

ダイアフラムポンプ(ダイヤフラムポンプ)の構造と原理
ダイアフラムポンプの構造と原理

ダイアフラムポンプの動作は、まずダイアフラムが引かれることでチャンバー内の容積が大きくなって減圧します。この時、吐出側の逆止弁が吸い込まれて止まり、吸込側の逆止弁がチャンバー側に引かれて開かれ、吸込側からチャンバー内に流体が吸い込まれていきます。

次に、ダイアフラムが押されることでチャンバー内の圧力が増加。吐出側の逆止弁が押されて開き、吸込側の逆止弁が閉じて、吐出側から流体が押し出されます。この吸い込みと押し出しの動作を繰り返すことで流体が搬送されます。

ダイアフラムの素材には、丈夫で伸縮性の高いゴム素材などが多く用いられ、流体と接するチャンバー側の面には、耐腐食性や耐薬品性などに優れた素材が用いられます。ポンプヘッドや逆止弁も同様に、樹脂やステンレスなどの素材を流体の種類に合わせて使用します。これにより、ダイアフラムポンプでは、水や空気のほか、幅広い流体の搬送が可能です。

ダイアフラムポンプの種類には、圧縮空気を用いたエアー駆動式ダイアフラムポンプの他、油圧式、モーター式、ソレノイド式など、ダイアフラムを押し引きするための動力別に各種あります。

ダイアフラムポンプによる流体の搬送では、吸引と吐出を繰り返すので、流体が一定間隔で間欠的に流れます(脈動)。ダイアフラムを往復運動させる大きさや速さを変えることで、搬送する流体の分量や送る速さを変えることが可能です。排水用のポンプのような大量の流体を連続的に流すのには向きませんが、一定間隔で安定した量の流体を搬送でき、流体の性質を変えることがありません。そのため、医療分野での軽量コンパクトな薬液注入ポンプなど、様々な薬液の搬送に多く用いられています。他にも、細胞分離装置、3Dプリンター、業務用プリンターなど、ライフサイエンス、新製造プロセス等、幅広い分野で、次世代を担う最新装置に採用されています。

ダイアフラムポンプに必要な特性と注意点

ダイアフラムポンプの使用では、特性上注意すべき点があります。

ダイアフラムポンプは、ダイアフラムの動きによる圧力変化で逆止弁が動き、吸引吐出を切り替えて搬送を行っています。そのため、逆止弁付近に異物が溜まって逆止弁の動きが悪くなると、ポンプ性能が下がり、吸引も吐出もできない状態になる場合もあります。異物以外にも、傷などにより逆止弁と台座とのシール性が低下すると、同様にポンプ性能が低下するので、逆止弁が良好な状態に保たれていることが必要です。また、異物や傷が無くても、台座との接触性が悪く、高い接触圧を確保できない逆止弁では、シール性が低く思うようなポンプ性能を得ることができません。ダイアフラムポンプの性能は逆止弁により左右されます。逆止弁の性能は、ダイアフラムポンプの安定した自吸性と流量特性を実現するために欠かせません。

更に、ダイアフラムポンプは、チャンバー内の圧力を上げて流体を押し出しているので、吐出側の先の配管が詰まって流れが悪くなって逆止弁が動かない状態になっても、ダイアフラムを動かす動力が出せる力まで圧力が増していきます。圧力が増大すると、配管やポンプ内の弱い部分が破裂したり、モーターやピストンなどの駆動装置が破損したりする事故の原因となります。これを避けるため、圧を逃がす安全弁(リリーフ弁)や、過負荷を検知して動作を止める安全スイッチなどを取り付けておくことも重要です。


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