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レンズファイバとは?機能や加工方法を解説

レンズドファイバー
   最終更新日:    公開日: 2021/10

光通信では、レーザーダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)フォトダイオード(PD)などの半導体素子が用いられています。これらの半導体素子は、電気の信号を光信号に変換して発したり、受けた光信号を電気信号に変換したりします(光電変換)。光信号は光ファイバにより伝達され、光ファイバと半導体素子とを効率よく結合するための用いられるのがレンズファイバレンズ付き光ファイバ)です。レンズファイバを用いることにより、半導体素子と光ファイバの接合を大幅に簡素化することが可能になります。

半導体素子との接合に欠かせないパーツ

光通信に用いられる半導体素子は、金属のリードや他の半導体素子、光学部品などと共に金属や樹脂でパッケージされています。例えば、LDを用いたバタフライ型モジュールでは、LDチップの他、LDチップへ反射光や外部光が入ることを防ぐアイソレータや、LDの光出力変動をチェックするためのPD、LDの温度を検出するサーミスタ、LDチップの発熱を逃がすTECなどの部品がパッケージ内に固定されています。各部品は、リードや他の部品と金ワイヤ等で接続され、パッケージ内を乾燥窒素で満たして機密封止されています。

LDが出力した光を外部へ導くパーツが、パッケージに取り付けられた光ファイバです。効率よく光ファイバのコア部分に光を入射するにはコアに合わせて集光しなければなりません。従来はパッケージ内に固定したレンズを用いてこれを行っていました。レンズを用いる場合には、光ファイバと、レンズ、LDが最適な位置になるように調心する必要があります。3つの位置を最適に調心するのは非常に精密な工程であり、調心には多くの時間を要していました。バタフライ型モジュールの他、光ポンプモジュール(半導体光増幅器:SOA)などでも同様の問題があります。受光、発光素子とレンズ、光ファイバとの調心には精密な作業が必要でした。このような問題を解決し、組み立て工程を大幅に簡素化するものとして、光ファイバ先端にレンズ機能を付けたレンズファイバが広く用いられています。レンズファイバにより、受光、発光素子とレンズファイバの2つの調心だけで済むので、調心工程にかかる時間が削減されました。また、部品点数が減ることでシンプルなパッケージとなり、モジュールの信頼性が向上するとともに、部品コストも低減できます。

ビームパターンに合わせて形状を選択

レンズファイバは光の形状(ビームパターン)に応じて様々なレンズ形状があります。

例えば、先球レンズファイバ(SLF:Spherical Lensed Fiber)では、光ファイバの端部をコアが頂点となるように円錐形状に加工し、円錐先端部を半球形状の曲率を持たせることでレンズにしています。SLFは円形のビームパターンを有する光に対して優れた結合効率を有します。光通信LDモジュールや、光導波路、Si細線導波路、PDへの出力、微小領域の照明用などに用いられています。

くさび型レンズファイバ(CLF:Cylindrical Lensed Fiber)では、コアの中心軸に対して対象に傾斜平面を形成してマイナスドライバー形状に加工し、先端部に半円筒形状に曲率を持たせることでレンズ(シリンドリカルレンズ)にしています。CLFは、扁平に拡散した楕円形状のビームパターンに対して優れた結合効率を有します。光増幅用LDモジュールや、ハイパワーLDモジュール、光導波路などに用いられています。

更に、バイコニックレンズファイバ(BLF:Biconic Lensed Fiber)では、CLFのようにマイナスドライバー形状に加工された傾斜平面と直交する方向に、同じようにコアの中心軸に対して対象にもう一つのマイナスドライバー形状が形成されて角錐状になっています。2つの先端部はそれぞれ半円筒形状に曲率を持たせることでレンズになっており、それぞれの曲率を変えることで、楕円形状のビームパターンの長軸と短軸に対応させることが可能です。光増幅用LDモジュールや、光導波路などに用いられています。他にも、レンズファイバの先端の形状としては、ボール形状や斜め形状などもあり、ビームパターンの他、980nmや1480nmなどの各種波長帯、用途等に合わせて光ファイバ端部を加工して使用しています。

偏心を抑えた加工

光ファイバの端部をレンズファイバに加工する方法は、エッチングや溶融延伸、研磨加工、レーザー加工など各種あります。エッチングは、光ファイバのコアとクラッドのエッチング速度差を利用してレンズ形状を形成します。溶融延伸では、光ファイバを加熱して溶融延伸することでコア部分がテーパー状になり、レンズ形状が形成されます。 研磨による加工では、レンズファイバの形状や曲率などを自由にコントロールして加工することが可能です。使用する用途やビームパターン、波長帯に応じて形状、曲率を選択して加工します。研磨によるレンズファイバの加工では、コア部分が円錐形状やマイナスドライバー形状の先端部と重なるように加工しなければなりません。コア部分と先端部が偏心していると接合効率が低下します。しかし、通信用の光ファイバは、直径が125μmで、コア部分がシングルモードならば10μm程度であり、マルチモードでも50μmほどしかありません。研磨による加工には高い精度の研磨技術が必要になります。また、コア位置をモニターしながら研磨することで偏心無く加工することが可能です。


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