環境発電で得られる電力量 高効率化への期待

環境発電で得られる電力量 高効率化への期待

周囲の環境にある様々なエネルギーから電気エネルギーを得る環境発電エネルギーハーベスティング)は、IoTデバイスの電力供給問題を解決する方法として注目を集めています。環境発電を用いれば、IoTデバイスは無給電で動作することも可能です。電源の設置や配線、電池交換などの必要がなくなり、設置費用や設置後のメンテナンスコストの削減も期待できます。今後のIoTの普及には、環境発電は欠かすことのできない技術です。しかし、その普及には課題もあります。環境発電で得られる電力量の問題です。

微弱な電力しか得られない環境発電

水力発電や火力発電など、人々は生活や生産活動の為に様々な方法で電力を得ています。風や波、地熱、太陽光などの自然エネルギーを使った発電も多く行われきました。環境発電は、今まで使われていなかった人が動くときに起こる振動や、機械の発する熱、空間を飛び交う無数の電波など、微小なエネルギーを活用して発電を行う技術です。

環境発電の例としては、室内の弱い光でも発電できる光発電デバイス。コイルと磁石による電磁誘導や、圧電素子による圧電効果を用いて、人や機械の動きで起こる振動エネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電デバイス。機械の排熱や体温などの比較的低い温度の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱発電デバイスなどがあります。IoTデバイス環境発電デバイスを搭載して電力を供給できれば、IoTデバイスは無給電での動作も可能になります。

しかし、環境発電は、今まで使われていなかった微小なエネルギーを電気エネルギーに変換しているので、得られる電力は非常に微弱で不安定です。現状一般的な環境発電デバイスからは、数μWから1mW程度の電力しか得られず、LEDの光源を一瞬光らせたり、近距離で短い信号を送信したりするか、電池の消費を抑えるための補助電源程度に利用するのが限界です。

より多くの電力が必要となるIoTデバイス

環境発電を更に普及させるには、より低消費電力で駆動することが可能なデバイスが必要です。また、安定的な電力供給ができるように、電力を使わないタイミングで蓄電して利用できるようにするなど、電力利用における工夫も必要になります。

また、将来的には、より高度なセンシングや、長距離無線通信への対応が求められるようになるので、デバイスの消費電力は増加傾向にあり、今よりも更に高効率で発電量の高い環境発電が必要になってきます。光による環境発電ならば、光を受ける面を大きくすれば発電量を増やすことができます。振動による環境発電ならば、振動を受ける部分を大きくして高速で振動させれば、磁界の変化が大きくなり、発電量を増やすことが可能です。しかし、この方法では、環境発電デバイスが大きくなり過ぎるので、IoTデバイス向けでは使用できなくなります。現状のサイズと同じか、より小型、薄型でありながら、同等以上の発電量が得られる高効率の環境発電デバイスでなければいけません。

例えば、光を用いた環境発電デバイスでは、低照度や散乱光でも発電できる、色素増感太陽電池によるデバイスの開発が進んでいます。現状では、広く普及しているシリコンを用いた太陽電池よりも変換効率が低いため、今後の高効率化が期待されます。

熱エネルギーを用いた発電デバイスでは、従来の厚みのあるデバイスと同程度の発電量を持ちながら、フィルム状に形成されたフレキシブル性のある熱発電デバイスが開発されています。体温程度でも発電が可能であり、自由に曲げて使えるので、熱を発するものに形を合わせて貼りつけることが可能です。

無給電で駆動可能な振動検知システム

振動エネルギーを用いた環境発電デバイスでは、従来の一般的なものでは1mW程度の発電しかできませんでしたが、その数十~数百倍の出力を1回の振動で複数回得られる振動発電デバイスも開発されています。サイズも手に乗る程度のサイズであり、重量も非常に軽いものです。振動発電デバイスは、振動により強い衝撃を連続して受ける場合もあるので、高い堅牢性も備えています。これを用いたセンサーシステムも開発されており、無給電、無配線でありながら、設置するだけで振動を検知してサーバーまで信号を無線で送ることが出来るようになっています。車両の通過検知などに活用可能です。

また、振動は上下方向だけでなく、手の振りのように円弧を描くように前後に動くようなものもあります。振動エネルギーで効率よく発電するためには、様々な振動による動きに対応して発電できることも求められます。加速度、衝撃、重力移動、揺れ、スイッチ、回転など、様々な動きに対応した振動発電デバイスは各種開発されており、動きに合わせてデバイスが選択できます。 環境発電デバイスは、小型、薄型などと共に高効率であることの需要が今後さらに高まります。合わせて、低コストであることや、設置の容易さなども必要です。高度なセンシングや、長距離無線通信へ対応するためにも、より高効率でありながら低コストで設置しやすい環境発電デバイスの開発が望まれます。

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