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セラミックとは ~工業製品や腕時計など用途は多数~

セラミックとは
   最終更新日:    公開日: 2021/12

セラミックとは、非鉄金属材料のパウダーを製品に合わせて調合し、成形した後に焼結して製造される素材です。化学的安定性に優れ、高い耐熱性、耐蝕性、絶縁性などの特徴を持っています。電気機器の部品や医療用製品などの他、調理器具や時計、宝飾品など、幅広い用途に用いられています。

セラミックの特徴 ~ 硬く、酸化せず、熱にも強い

セラミックの語源は、ギリシャ語の”keramos”(粘土を焼き固めたもの)とされています。古くからある素焼きの器や陶磁器類も、広い意味ではセラミックと言えます。現代のセラミックは、ただ粘土を焼き固めて作ったものではありません。ジルコニアやアルミナなどの精錬された非鉄金属材料パウダーを製品に合わせて調合して成形し、焼結することで製造しています。近年では、さらに精錬された多種類の原料で生産されるようになり「ファインセラミックス」と呼ばれるようになりました。

セラミックの特徴としては、非常に緻密で硬く、酸化して錆びることがなく、高い耐熱性、耐蝕性、絶縁性、耐摩耗性などを持つことです。硬度は地球上で最も硬い鉱物であるダイヤモンドに迫る硬さを持ち、タングステンなどの超硬金属よりも高い硬度を持ちます。塑性変形が起こりにくく、優れた耐摩耗性を示し、熱膨張も少ないので、形状安定性が高いです。多くの金属よりも高い融点を持ち、酸化や腐食に強いだけでなく、化学的にも安定しています。

しかし、硬度が高く傷は付きにくいですが、脆性破壊が起きやすい性質を持ち、割れたり欠けたりすることがあります。非常に硬いので、焼成した後からの機械加工も難しいです。また、耐熱性には優れますが、急激な温度変化には弱く、熱衝撃破壊を起こしやすい性質もあります。

セラミックの製造方法

セラミックの製造工程は、調合、成形、焼成の順に進みます。調合では、ジルコニアアルミナ強化アルミナなどのセラミック原料パウダーと、結合剤となるバインダー、焼結助剤や強化剤などの各種添加剤が製品に合わせて調合されて練り合わせられます。バインダーは、プラスチックなどが原料です。焼成時に除去されます。

成形では、調合した原料を、型を用いて必要な形状にします。焼成時に縮むので、その量を計算に入れた形に成形することが必要です。成形には、射出成形、押出し成形、プレス成形CIP成形などの方法が、製品の用途、性能に合わせて用いられます。プレス成形ではバインダー量が少ないので、成形後に切削加工も可能です。

成形後は、電気炉等を用いて温度コントロールを行いながら焼成していきます。焼成されたものは、必要に応じて切削研磨や平面研削、円筒研削などの2次加工を施されます。最終的に洗浄、検査等が行われ製品となります。

セラミックは、型で成形して焼成して作るので、複雑形状製品を大量生産することが可能です。金属では作ることが困難な形状でありながら、金属を上回る硬さや性質を持ち、金属よりも軽い製品を製造することもできます。

セラミックに使用される素材

セラミックに用いられる主な原料としては、アルミナ、ジルコニア、強化アルミナ(ジルコニア添加アルミナ)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミ(AlN)などがあげられます。

アルミナはセラミックの中で最も多く使われています。特性的に高硬度で耐熱耐摩耗性、耐蝕性に優れた材料です。

ジルコニアは、セラミックの中で最も強度と靭性が高い特長を思っています。欠けにくく、耐久性、耐蝕性、耐薬品性に優れ、金属に近い熱膨張率を持つので金属との接合に適しています。原料に添加物をドープさせることにより、黒色や青色などの色を持ったセラミック(カラージルコニア)を製造することも可能です。

強化アルミナは、ベースの高純度アルミナベースにジルコニアを添加することにより製造されます。両材料の好特性を併せ持ち、アルミナでありながらジルコニアに近い強度特性が特徴です。

窒化ケイ素は、高温において高い強度を示します。破壊靭性が高く、耐摩耗性にも優れています。炭化ケイ素は、高強度、高剛性であり、特に耐摩耗性に優れています。高温でも酸化しにくい特長も持っています。窒化アルミは高い熱伝導性を持ち、絶縁性にも優れています。

近年ではセラミック時計も人気

セラミックは金属を上回る硬さや、様々な優れた特性を持つことから、多くの工業用途に用いられてきました。切削・研削用工具や、軸受けなどの機械部品、ICや碍子などの電子部品、フェルールやスリーブなどの光通信部品、人工歯根などの医療用製品など、使用される製品は多岐に渡ります。

近年では、工業用途に限らず、腕時計の部品や外装、宝飾品などにも多く用いられるようになりました。腕時計用途しては、1980年代後半からケースやベゼルなどの部品に使用されるようになります。2000年頃になると他社からもセラミックを部品に使った腕時計が発売され、その後、一部の部品や時計全体にセラミックを使用したセラミック時計が各社から発売されるようになりました。

従来、ステンレス以外の硬質腕時計の外装ケースには超硬合金(WC:タングステンカーバイド)素材等が多く用いられていましたが、現在主流となっているのは、ジルコニアによるファインセラミックスです。海外ファッションブランドを代表する高級腕時計では、ジルコニアを用いた外装ケースとバンドが、長年採用されています。特に白セラミックは真珠のような輝きで、一目で他とは違う腕時計ブランドであることが人気を集めています。

セラミックは非常に硬くて傷がつきにくく、研磨することで宝石のように輝きが増すので、腕時計のような常に身に着けるものの外装部品には最適な素材と言えます。また、酸化や腐食にも強いので、錆びたり変色したりすることもなく、皮膚に触れてもアレルギーを起こすようなこともありませんし、逆に肌触りも金属と比べてとても滑らかです。長時間太陽光に当たることで起こる紫外線による劣化などもなく、熱の影響も非常に小さいので、過酷な環境で使用される腕時計にもセラミック部品が活躍します。何年経ても、新品同様の光り輝くセラミック時計は、このように傷がつきにくく劣化しにくいのが大きな要因と思います。ステンレスに比べ軽量なので、高い強度を持ちながら、腕につけていても負担を感じない軽量なモデルも実現可能です。

ただし、脆性破壊が起こりやすい素材なため、強い衝撃により割れたり欠けたりすることがあり、腕時計用の素材として使用する場合は、ケースとバンドの結合部分などでは曲げやねじりによる強い力が一点に集中しないようにするなど注意が必要です。また製造面では、非常に硬いため研磨や機械加工を行うには高度な加工技術が要求されます。

カラーセラミック
カラーセラミック

以前のセラミック時計モデルは黒か白のカラーが主に用いられてきましたが、現在ではブルーやレッドなどのカラージルコニアが開発され、カラーバリエーションも増えています。セラミックに対する研磨や機械加工などの加工技術も向上し、より美しい光沢を持たせることや、マット仕上げや部分的なヘアライン仕上げなどの表面加工も可能となり、セラミック時計のデザイン性も増しています。

アダマンド並木のセラミックについての詳細は以下のページからご覧ください。

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